循環器グループ【研究】
----- "Division of Pediatric Cardiology"

循環器グループでは、こどもたちの外来診療・入院治療に熱意を持って日夜取組んでおります。
大学における研究活動の大きな目標は、難治性疾患の原因解明、生命予後・QOLの向上、そしてより良い治療の実践により、社会に貢献することにあります。

研究

先天性心臓病

医療技術の向上により小児の難治性疾病の治療成績が良くなり、小児の病気をもった成人人口が増加しています。小児の心臓病、とくに先天性心臓病もそのひとつです。

わたしたちは厚生労働省・総務省の許可を得て、先天性心臓病の長期生命予後を検討致しました。
その結果、先天性心臓病の死亡率は1973年の3.56(人口10万対)をピークに年々減少し、1997年に1.22に達していました(資料1)。
乳児死亡率は1978年までは高く、1978年以降急激な減少を認め、1978年の127(人口10万対)から1997年には62まで減少していました。

このようにわが国の心臓病の生命予後は、外科学や小児科医学、新生児医学の進歩を裏付けるような改善を示しています。わたしたちは、更なる生命予後・QOL向上のために、外来診療や入院治療の充実を目指したいと考えております。

●資料1

川崎病

川崎病は原因不明の難病です。全身の血管炎を特徴としますが、冠動脈に炎症が波及すると瘤になり、心筋梗塞や突然死の原因になります。

わたしたちは、この川崎病血管炎の初期病態として、血管透過性が重要なファクターと考えています。血管透過性を増幅させる因子として、川崎病の原因物質あるいは遺伝的な背景を考えています。

幸いなことに、免疫グロブリンの大量療法によりこうした冠動脈瘤の合併率は減少しましたが、いまだに治療が奏効せず冠動脈瘤を合併するこどもたちがいます。病因・病態の解明に加え、新たな治療の開発や退院後の外来診療における血管機能の評価が大変重要になってきます。

現在、冠動脈瘤を合併したこどもたちの血管新生機能を評価することで、冠動脈瘤の治療に役立てる研究をおこなっています。

原発性肺高血圧症

原発性肺高血圧症は難治性疾患です。しかしながら、近年の薬物治療の進歩と共に原発性肺高血圧症の生命予後は改善してきました。
現在、わたしたちはより良い治療管理の指標となる肺血管機能の解明に取組んでいます。

共同研究施設

代表的論文(2001-2004年)

  1. Tateno S, Terai M, Niwa K, et al.
    Circulation 2001; 103: 2591-2597.
  2. Jibiki T, Terai M, Shima M, et al.
    Arthritis Rheum 2001; 44: 2211-2212.
  3. Yasukawa K, Terai M, Shulman ST, et al.
    Circulation 2002; 105: 766-769.
  4. Hamada H, Terai M, Jibiki T et al.
    Cardiol Young 2002; 12: 345-351.
  5. Terai M, Honda T, Yasukawa K, et al.
    Circulation 2003; 108: 325-330.
  6. Jibiki T, Terai M, Kurosaki T, et al.
    Eur J Pediatr 2004; 163: 229-233.
  7. 寺井勝
    拡張型心筋症 今日の小児治療指針(第12版) 2002; 344-345.
  8. 寺井勝
    川崎病 今日の治療指針2003年版 2003; 922-923.
  9. 寺井勝
    川崎病の心血管性病変 今日の小児治療指針(第13版) 2003
  10. 寺井勝
    先天性心臓病の長期生命予後 小児科 2003; 44: 2103-2108.
  11. 東浩二、寺井 勝
    サイトカイン・ケモカイン・インターロイキン 小児科2003; 44: 580-583
  12. 寺井勝
    川崎病血管病変の発生機序:臨床と基礎 Annual Review 循環器2004
  13. 遠山貴子、寺井 勝
    川崎動脈炎とγグロブリン療法 リウマチ科 2004.