低身長の診療について(成長ホルモン分泌不全性低身長)
----- 内分泌グループ

千葉大学附属病院小児科を『低身長』で受診なさる方へ
(背が低い、あるいは背の伸びが悪いことで受診なさった方へ)

成長曲線用グラフ用紙を作成しました。ご利用ください。

診療の流れ

1. 受診時に用意するもの

  • 身長、体重の記録(母子手帳、幼稚園、小学校等の記録)
    「何歳何ヶ月の時」まで知る必要があります。ただし、1年に1回程度の記録で可です。

2. 診察

  • 本人の診察(全身にわたり診察させていただきます)
  • 御両親についての質問(身長、体重、一番背が伸びた時期、初経年齢)

3. 検査

  • 骨年齢
    人の身長は骨の成長度合い(骨年齢)によって決まってきます。全身の骨を調べる代わりに両手のレントゲン写真を1枚撮って骨の年齢を検査します。
  • 血液検査
    成長因子:成長ホルモンは脳の下にある下垂体という部分から分泌されます。成長ホルモンの分泌自体は1日のうちで出ている時間と出ていない時間があるため、1回の採血では評価できません。したがって、成長ホルモンによって作られる成長因子(1日中ほぼ一定)を調べます。
    • 甲状腺ホルモン:甲状腺は「喉ぼとけ」の下あたりにある臓器で甲状腺ホルモンを分泌します。このホルモンは『新陳代謝』を活発にするホルモンで骨の成長にも関与します。このホルモンが不足していないかを調べます。
    • 性ホルモン:思春期は身長が一番伸びる時期です。思春期が早めに来る方は、いわゆる『早熟』で子供時代は背が大きいですが、最終的な身長は低めになることが予想されます。逆に遅めに来る方は『おくて』で最終的な身長は高めになることが期待されます。現在お子さんが思春期に入っているかを調べます。
    • 一般検査:貧血の有無、腎機能、肝機能など、いわゆる現在の健康状態について調べます。
    • 染色体検査:染色体異常(ターナー症候群など)の有無について必要があれば調べます。
  • 尿検査

4. 結果説明

  • 数週間後、結果が出ますので小児科外来にて御両親に説明いたします。
  • 本人はいらっしゃらなくても結構です。

5. 負荷テストおよび頭部MRI検査

  • 負荷テスト
    下垂体の機能を調べる検査が必要と診断された方は負荷テストを行います。負荷テストとは点滴を入れて薬物を投与して、それに対する成長ホルモンの分泌程度を検査する方法です。お子様が痛いのは一番初めの点滴を入れる時だけで、そのあとの採血は30分ごとに点滴を逆流させて行いますので痛くありません。検査時間は約4時間です。
    • 成長ホルモン分泌負荷テスト:インスリン、アルギニンなどのお薬を用います。インスリンは血糖を一時的に下げる作用がありますので注意が必要です。他、下垂体の機能(甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン)を検査するためにいくつかの薬物を同時に用いることがあります。
  • 頭部MRI検査
    下垂体の形態の異常および脳内の腫瘤の有無を検査するため頭部MRI検査を行います。検査は磁気を用いて行い(CTと違って被爆しません)約20分かかります。写真と同じように、動くとブレてしまいますのでじっとしていなくてはいけません。

6. 結果説明

  • 数週間後、結果が出ますので結果を小児科外来にてご説明いたします。
  • 本人はいらっしゃらなくても結構です。
  • 結果により、さらにもう1種類の負荷テストを行い、分泌不全の有無を調べる場合があります。

7. 小児慢性特定疾患申請

  • 小児慢性特定疾患の適応となった方は診断書をお書きしますので、住民票がある地区の保健所に行って申請をしてください。提出した日より成長ホルモンにかかる医療費が免除されますが、原則として県の審査が終わって小児慢性特定疾患受給券がお手元に届いてから(1〜3ヶ月程度かかります)治療を開始します。

8. 成長ホルモン治療開始

  • 成長ホルモンは原則毎日1回ご家庭で注射していただきます。注射方法はご指導いたしますが、ペン型注射器を用い大変簡単です。針も細く、痛みはそれ程強くありません。

9. 外来通院

  • 成長ホルモンを使用することになった方は最初の3ヶ月は毎月ご本人と保護者の方が受診し、診察および血液・(尿)検査を受ける必要があります。それまでに異常がなければ以降は本人は3ヶ月に1回程度の検査が必要です。