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小児の膠原病は、成人とは異なった小児特有の問題点を考えながら診断・治療に当たる必要がありますが、専門医が全国的にとても少なく、困っている患者さんの多い分野です。
私たちは、膠原病専門施設として長年、小児の膠原病の診療を行っております。膠原病は全身の病気ですので、当院小児科の他の専門グループ(循環器、内分泌、他)はもちろん、大学病院の特性を生かして整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、和漢診療科、産婦人科(周産期母性科)、リハビリテーション部、こどものこころ診療部など、他科と連携して診療を行っています。
また、絶対数の多い成人の膠原病の患者さんでの経験を小児の患者さんに生かせることは多々ありますので、アレルギー・膠原病内科にもご協力をいただいています。
小児の膠原病で、患者さんの数の多いものとして以下があげられます。
このほかにもベーチェット病、大動脈炎症候群、強皮症、など、成人にある膠原病はすべて小児でも発症することがあります。
膠原病の診断は、簡単ではありません。多くの患者さんは、熱、関節の腫れや痛み、皮疹などが続いて、膠原病を疑われますが、ウイルスなどの感染症や、悪性疾患でも同じような症状が出ることがあります。
血液検査、尿検査、レントゲン、CT、MRI、超音波などを用いて、膠原病かどうか、膠原病ならばどの病気か、を診断していきます。病気によっては、皮膚や小唾液腺、腎臓などの組織を調べる「生検」が必要となることもあります。
検査も新しい手法が開発され、それまで診断できなかった事柄がわかるようになったり、また、侵襲的な検査(痛みを伴うような検査)が非侵襲的にできるようになってきたりしています。
たとえば、シェーグレン症候群の患者さんに行うシアログラフィ(sialography)は、以前は造影剤を注入してレントゲン写真を撮影して判断していましたが、現在は MRI を用いて、造影剤を使わずに行うことができるようになりました。
下の写真は、造影剤を用いたシアログラフィ(左)と MRI で造影剤を用いずに撮影したもの(右)です。

膠原病の原因は明らかではありませんが、本来は体を守る働きをする「免疫」反応が暴走して、自分自身に対して働いてしまうことによって起こります。そこで、この「免疫の暴走」を抑える治療が必要となります。
膠原病の治療では
が、中心的な治療としてあげられ、それぞれの患者さんの病気やその症状に応じて、治療を組み立てて行きます。
また、薬によっては副作用が問題となります。私たちはステロイド薬による骨粗鬆症にビスフォスフォネート製剤を用いた対策を行うなど、副作用に対する注意・治療も並行して行っています。
免疫反応で重要な役割を果たす物質にサイトカイン、ケモカインといわれるものがあります。また、免疫反応にかかわる細胞の表面には、サイトカインなどが結合するタンパク質などがあります。
これらの物質の特定の物質の働きだけを直接阻害する薬剤が、1990年代の終わりにバイオテクノロジーから生まれました。一般に「生物学的製剤」と呼ばれているものです。これらの薬剤により、リウマチ・膠原病の治療は大きく変化しました。
私たちは、この生物製剤の一つである「抗インターロイキン6レセプター抗体(トシリズマブ:製品名アクテムラ®)」の若年性特発性関節炎に対する治験に参加して、これまでの治療ではなかなか良くならなかった患者さんの治療を行って、それぞれの患者さんで良い効果を得ています。
これらの薬はとても効果がありますが、一方で副作用が問題となることがありますので、基本的には専門医あるいは専門施設でのみ処方が許可されています。
当グループメンバーは、
として、膠原病のよりよい診療を行うための各学会の活動に参加しています。
一つの例として、日本小児リウマチ学会から発表した
の作成に関わっています。
また、日本シェーグレン症候群研究会編『シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル』の「小児のシェーグレン症候群」の項目の執筆を担当しました。