
私は大学を卒業後、直ちに当小児科学教室に入局しましたが、その頃の教室ではアレルギー疾患、内分泌疾患、消化器疾患を中心に診療・研究が進められておりました。
未だ小児の気管支喘息などアレルギー疾患の病態そして治療法が確立していなかった時期であり、小児科の外来が毎日喘息患者で一杯になっていたのが印象的でした。
私は臨床免疫・アレルギー学を志しましたが、丁度免疫学が日本で確立されていく時期にあたり、後に世界の免疫学をリードされた多くの先生方から直接指導を受ける機会を得ました。また当時の免疫学会は色々な分野出身の若い研究者がすさまじい熱気のもとに終日議論を戦わせており、良い師そして仲間に恵まれたと思います。
このような基礎研究の発展に少し遅れて小児科でも臨床免疫学が盛んになり、現在のアレルギー・免疫疾患の治療のみならず、移植治療や多くの炎症性疾患の治療法の確立に結びつきました。
何も情報のないところから病態を明らかにし、そして治療法を確立する、今まで直せなかった病気を少しでもよくする、この努力は医療に携わる者にとって生涯温めていかなくてはならないテーマであると信じています。
所属学会等
免疫・アレルギーを専門としています。大学病院に勤務する医師の役割として、市中の一般病院では比較的診断や治療が困難なアレルギー・自己免疫疾患・免疫不全などの患者さんの診療を行っています。
多くの疾患はなんらかの炎症反応によって惹起されると考えられますが、その基礎にある免疫反応を解明・理解して、本来生体のもっている免疫力・防御能を生かした治療を目指しています。
また、小児の疾病構造がこの50年で、急性疾患の減少、長期の治療を必要とする疾患の増加など大きく変化してきました。これに伴い、狭義の病気の治療のみでなく、こどもたちの生活をも視野においた包括的医療・ケアの重要性が増してきました。そのような点も考慮して、できる限りこどもたち・家族のみなさんにとってよりよい医療を心がけていきたいと思います。
特に近年増加しているアレルギー疾患では様々な情報が入り乱れてかえって患者さんや家族を悩ますことも多いようです。患者さんの疑問に答えながら、客観的な情報の提供も積極的に行って、双方向性の患者・医師関係を作っていければと願っています。
所属学会等
主として内分泌疾患の診断、治療、研究を専門におこなっております。特に小児は「成長」するものであり、この点抜きにして小児疾患の治療を考えることはできません。各種ホルモンの分泌、作用動態を理解することは小児科医療の上で非常に重要です。
また、内分泌外来では小児期から成人までの病気を一貫して診るという成育医療も伝統的に実践しております。
新生児マススクリーニング(クレチン症、先天性副腎皮質過形成症)および千葉市学校検尿尿糖陽性者精検機関として、これら疾患の早期診断、早期治療に尽力したいと思います。
所属学会等
感染症及び国際保健医療を専門にしています。21世紀の感染症対策は、グローバルな視点で研究、臨床、サーベイランスのバランスを取りながら進めて行くことが必要であり、その理念に基づき、日々の診療活動を行っています。
小児科で神経・筋疾患と先天性奇形症候群を専門にしています。けいれん、発達の遅れ、運動障害の診断・治療を行う一方、その病気の原因を明らかにして治療法を考案するために研究活動を行っています。
近年分子生物学の進展に伴い、MELASに対するアルギニン療法、糖原病に対する酵素補充療法、Charcot-Marie-Tooth病に対するアスコルビン酸治療、進行性筋ジストロフィー症に対するステロイド治療などかつては不治の病とされた多くの疾患に新しい治療法が応用される時代になりました。
また私たちの実験研究からは、形態形成の遺伝子解析をもとに新しい分子標的薬の開発と癌治療を目指しています。
これからも千葉大神経グループは、志ある若い先生方とともに日進月歩の医学の進歩に見合った新しい小児医療を提供してゆきたいと考えています。
所属学会等